かゆい蕁麻疹に漢方薬

2020.6.24

突然、痒くなる蕁麻疹。皮膚が赤くなったり、虫に刺されたのように盛り上がったり、掻いたところが赤くミミズ腫れになったりします。

大体は痒みを伴いますが、チクチクと痛んだり、焼けるように痛んだりすることもあります。

形は円形、楕円、地図状などがあり、大きさも直径1~3mmのものから10cm以上のものまで様々ありますが、形に本質的な意義はないとされます。

蕁麻疹の多くは数分から数時間以内で残らずに消えてしまうので、そのまま放っておかれる場合も少なくありません。

1ヶ月以内で治まるものを急性蕁麻疹、それ以上繰り返すものを慢性蕁麻疹といいます。

湿疹と蕁麻疹は、どちらも赤みや痒みなど似た症状がありますが、湿疹はポツポツとした赤い水疱で、時間経過にともに悪化していく傾向があります。

 

蕁麻疹が起きる仕組み

なんらかの原因により皮膚の中のマスト細胞が刺激を受けると、痒みを引き起こすヒスタミンが放出されることで痒みの症状が出ます。また、この時に皮膚の血管も拡張されて血漿が周りに漏れ出ることで皮膚が膨らんで見えます。

 

蕁麻疹の原因

食べ物、薬品、植物などによるアレルギー性のタイプと、機械的刺激、寒冷、温熱、日光、ストレス、汗などによる非アレルギー性のタイプに分けられます。原因がよく分からない事も多く、慢性蕁麻疹の約70%は原因不明であるとも言われています。

 

蕁麻疹の治療

アレルギー性で原因や悪化因子が分かっている場合には、できるだけ避けるようにします。

原因が分からず症状が続く場合は、痒みの原因であるヒスタミンを抑えるために抗ヒスタミン薬を使用します。

症状に応じて他の抗アレルギー薬の追加、重症にステロイド剤や免疫抑制剤の使用、外用薬を使用する場合があります。

抗ヒスタミン薬は眠くなる、ボーッとする、食欲が増すなどの副作用が起こることがあります。また、運転をする人や危険な作業をする人は服用に注意が必要です。

蕁麻疹は、かいたりこすったりすることで、ヒスタミンやロイコトリエンなどがさらに放出されるため、かけばかくほど赤くなって痒くもなります。

できる限り刺激を与えないようにしましょう。患部を冷やして痒みを抑えることもできますが、寒冷による蕁麻疹の場合は冷やすことで悪化するので注意が必要です。

 

蕁麻疹に漢方薬

蕁麻疹を中医学でみると、風、寒、湿、熱の邪気が皮膚に停滞して起こると考えます。

突然の発生や出たり消えたり変化しやすい皮膚の痒みの症状は風邪(ふうじゃ)によるものと考えます。

風邪は他の邪気と一緒になることが多いので、冷えの寒邪と一緒になれば風寒となり、熱の熱邪と一緒になれば風熱となります。風寒、風熱によって対応する漢方薬はまったく変わってきます。

症状に対しては原因の邪気を体から追い出して痒みを抑える漢方薬を使用します。

しかし、慢性蕁麻疹のように、根本的な原因には血の不足、体のバリアである衛気の不足、胃腸虚弱などがあると考えられます。

体質にあった漢方薬を継続的に服用し体の弱い部分を補うことで、症状が出にくくなるようにしていきます。

また、肌のバリア機能には薬用のソープ、スプレー、ローション、クリーム、入浴液などでケアするのもいいです。

 

蕁麻疹の養生

・肌は清潔に、赤い蕁麻疹やコリン性蕁麻疹は長風呂に注意しましょう。

・誘発する物がないかを確認し、極力避けましょう。

・生臭い海産物、辛い刺激物、お酒は控えめにしましょう。

・寝不足や過労を避けましょう。

・ストレスはこまめに上手く発散しましょう。

 

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