今回、ストレスの対処法についてですが、漢方の考えとは違った視点、いわゆる一般的なストレス対処方法になります。
ストレス対策は一つにしぼるよりも色々な方法を組み合わせていくといいですね。
ストレスに対して、ただなんとなくやり過ごすのではなく、ストレスが何かをよく知り上手く対処していくことがとても大切です。
毎日のように受けるストレスを少しでも減らして、心身ともに軽やかになりましょう。
なぜストレスを感じるのでしょう?
ストレスを構成しているのは3つの要素です。
1.ストレッサーの発生
ストレスの原因になるものを『ストレッサー』といいます。
環境的なもの、身体的なもの、心理的なもの、社会的なものに分類されます。
生活環境の変化、エアコン、交通渋滞、通勤、喫煙、騒音、花粉、病気、人間関係、転勤、死別、離婚、失敗、挫折、将来の不安・・
結婚、昇進、収入増加などの嬉しいと思える事さえもストレスに感じる場合があり、あらゆる刺激や変化がストレッサーになりえます。
2.ストレッサーの認知
ストレッサーにより刺激された状態です。見る、聞く、感じるなど五感でストレスを受けたと認知しますが、無意識で認知していることもあり、全てを本人が自覚しているとは限りません。
ストレス要因に対してストレスだと感じるのは、自分の過去の経験や思考、価値観などが判断材料になっています。
3.ストレス反応
ストレスを認知すると、防御反応として様々な症状が出てきます。諸症状をまとめてストレス反応と呼びます。
ストレス反応は心理的・身体的・行動的の3つに分類されています。
心理的・・不安、焦燥、緊張、イライラ、意欲低下、 集中力低下、抑うつ、無関心など
身体的・・頭痛、吐き気、胃腸症状、食欲不振、めまい、動悸、生理不順、疲労倦怠感、不眠、下痢、便秘、眼精疲労、肩こり、湿疹など
行動的・・ミス増加、遅刻、欠勤、暴飲暴食、タバコ増加、事故を起こす、暴力、ひきこもり、ギャンブル依存など
ストレス反応として体からSOSが出ているのに、無視し続けるとやがて大きな病気へと発展してしまうこともあります。ここまでいってしまうと回復するのはとても大変です。
そうならないよう上手にストレスを対処する方法を『ストレスコーピング』と呼びます。
ストレス対処法(ストレスコーピング)
ストレスコーピングは3つに分類されています。
1.問題焦点型、2.情動焦点型、3.ストレス解消型
1.問題焦点型
ストレッサーを取り除いたり遠ざけたりすることで、ストレスを認知できなくさせる方法です。
例)
嫌な上司(ストレッサー)でストレスを感じている場合
上司のパワハラをやめるよう社長に訴えることで上司のパワハラをやめさせる、違う部署に異動する(させる)、転勤する、転職するなど。
根本的な解決になるため一番効果が高い方法です。まずはストレッサーに直接働きかける、この方法を第一に考えてみます。
実際には実行するのが難しかったり時間がかかったりするケースがあります。「それができたら苦労しない」と言われる事もありますが、簡単に諦めてしまわずに本当に無理なのかよく検討しましょう。
問題焦点型で解決が難しい場合は次の情動焦点型を考えます。
2.情動焦点型
ストレッサーに対する認知を変える方法です。
ストレッサーの良い面や価値を見つけるなどストレッサーに対する自分の考えを変えることで、ストレスをストレスと思わないようにする方法です。
例)
厳しく言う上司にストレスを感じている場合
上司が私に厳しく言うのは、私の事を思ってくれているからだ。厳しく言う方も辛いはずだ。厳しいけれど私が成長する機会を与えてくれているなど。
悪い面をみるのではなく、いい面や価値を見いだします。ストレスを前向きに捉えようとする方法です。
自己卑下、マイナス思考、強い思い込みなど自分の考えグセがあるなら普段から少しずつ修正していきましょう。
ストレッサーに関わることなく自分自身の考え方を変えるという点で問題焦点型に比べると取り組みやすいです。
この対処法は自分で心から納得しないとあまり効果は発揮されません。また、自分の心を無理矢理に抑えこもうとすると、かえってストレスにつながることもあります。
3.ストレス解消型
ストレスを受けた後に対処する方法です。
ストレス解消は誰でもやっていることですが、自分に合った解消法をいくつか持っているといいです。
発散系・・運動、カラオケ、おしゃべり、旅行など
リラックス系・・読書、アロマ、ヨガ、瞑想、入浴など
あまり分類にはこだわらずにその時にやりたい事をやってみましょう。
1.問題焦点型→ストレッサーをなくす
2.情動焦点型→ストレッサーの捉え方を変える
3.ストレス解消型→受けたストレスを発散させる
ストレス対処法はこの3つです。
案外シンプルではありませんか?
自分がどの対処法をやっているかをきちんと理解することで、次の手段を考えることもできます。
思考停止して何の対策もやらなくなるとストレスはどんどん蓄積されていきますので、早め早めに対処していきましょう。