最近の中高生の8割に無月経リスクがあるということがニュースで報道されていました。
痩せ願望による摂取エネルギー不足が原因で、運動習慣の有無に関わらずリスクは高いですが、特に運動をする生徒には深刻な影響が現れていたとのことです。
中高生のようなエネルギーをたくさん必要とする成長期に、無理なダイエットやハードなスポーツをしていると体に必要な栄養が不足することで無月経になりやすくなります。
月経は、エストロゲンとプロゲステロンの2つのホルモンが作用して排卵が起こり、受精卵が着床できるように子宮内膜は厚くなります。そして、妊娠が成立しなければ不要となった内膜は、子宮から剥がれ落ちて月経が起こります。
月経はおよそ28日周期で繰り返されますが、思春期以前、妊娠、授乳、閉経以外に月経が来ない状態を『無月経』といいます。
無月経には2種類があります。
原発性無月経
18歳になっても初潮が来ないのは原発性無月経といい、頻度は0.3%程度と稀です。原因としては染色体の異常、子宮や卵巣の発育不全、ホルモン分泌の異常、精神的ストレスなどが挙げられます。
日本では約98%の女性が15歳までに初潮があるので、16歳になって初潮がこないようなら婦人科での検査をおすすめします。
続発性無月経
今まであった月経が3ヶ月以上止まってしまうのは続発性無月経といい、割とよくみられる疾患になります。
原因としては精神的ストレス、無理なダイエット、肥満、ピルの服用などによるホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
また他の原因として子宮の奇形、脳下垂体の腫瘍、甲状腺機能障害などでも無月経は起こることがあります。原因となっている病気が分かっている場合は、その治療をすることで解消されていきます。
続発性無月経の多くはダイエットによるもの?
食事制限による栄養不足や体重減少によって、子宮や卵巣の機能が低下してしまい妊娠不可能と脳が判断すると、女性ホルモンの分泌を抑えて排卵をストップさせます。子宮内膜の着床準備もされなくなり月経が起こらなくなります。
過剰なダイエットによる体の機能低下は、無月経だけはなく様々なトラブルも発生しやすくなります。
その一つに骨粗鬆症があります。無月経は閉経と同じ状態といえるため、本来なら更年期以降に多くなる骨粗鬆症になる危険性も大きくなります。
無月経のような月経トラブルは漢方が得意
東洋医学(中医学)の視点では、その方の五臓や気・血・水(津液)・精に無月経の原因を探していきます。
発育や成長を司る五臓の腎にある精の不足があるか。
血を貯蔵し気の巡りをコントロールする五臓の肝が失調していないか。
気や血の滞りや不足があるか。
胃腸虚弱はないか。
など
一人一人の体質を診て、それに合った漢方薬を使うことで月経が戻るだけでなく、体全体の調子もよくなっていくことが多いです。たそえば漢方薬を飲んでいると以前に比べて月経痛も軽くなっていきます。
しかし、いくら漢方薬を飲んでもふだんの生活習慣に問題があり、そのまま続けているようではあまり効果は期待できないかもしれません。
無月経を起こす生活習慣には栄養不足、過労、睡眠不足、冷え、ストレスなどがあります。
まずはこれらの習慣を見直して対策していきましょう。
無月経などの月経異常は体からのサインです。
月経の煩わしさが減るからいいといった安易な考えから放置するのはやめましょう。
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