中医学で診る頭痛

2018.9.18

中医学では、頭痛を大きく2つに分類しています。

西洋医学の分類とは全く異なります。

 外からの邪気が原因でおこる頭痛

風寒邪(ふうかんじゃ)

首から後頭部にかけて筋肉がこわばり強い痛みがある
くしゃみ、鼻水、関節痛を伴うこともある

風熱邪(ふうねつじゃ)

熱っぽく腫った感じの頭痛
発熱、喉の痛み、口が渇く、目の充血などを伴うこともある

風湿邪(ふうしつじゃ)

頭が重く全体を締めつけられる痛み
手足が重だるい、食欲不振を伴うこともある

どのタイプの邪が原因かによって、全く違う漢方薬を使うことになります。

 臓腑の不調が原因でおこる頭痛

主に肝、脾、腎の臓腑のいづれかの不調が原因で頭痛を起こしますが、もっとも関連が深いのは肝とされています。
片頭痛や自律神経のバランスの乱れによる頭痛は、肝の不調が原因と考えます。

また、中医学には「不通則痛」と「不栄則痛」という言葉があります。

〇不通則痛

「気血水が何かに塞がれてうまく流れないと痛みが起こる」ということで、刺すような強い痛みになることが多いです。

〇不栄則痛

「気血水が不足すると痛みが起こる」ということで、鈍い痛みになることが多いです。

何が原因なのかを判断して、滞っている流れをよくしたり、不足を補ったりする漢方薬を使います。

よく頭痛で使用されるのは、川芎茶調散、釣藤散、呉茱萸湯、冠元顆粒などですが、原因によって選ぶ漢方薬は全く変わります。
また、体を根本から改善していく漢方は頭痛を減らすだけでなく、ほかの様々な体の不調も一緒に改善することになります。
何を飲めばよいかは漢方専門のお店に必ず相談してくださいね。

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