有害物質について考える

2020.1.17

最近、テレビやCM、新聞でもPCB(ポリ塩化ビフェニル)についての話題がでていますね。

このPCBが今問題になっているのは、PCBを含む塗料を使用した橋や屋外の大規模施設の調査です。

PCBが残る可能性がある施設は8510以上あり、現時点で調査が済んだ719施設のうち46%にあたる334施設にPCBが検出されました。このPCB入りの塗料の処分には莫大な費用と時間を要するとのことです。

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、人工の油状の化学物質で屋内の変圧器の絶縁油などのほか、塗料に混ぜて屋外施設のサビ止めとして、1974年の使用が禁止になるまで広く使用されてきました。

このPCBが使用禁止になったのは、1968年の『カネミ油症事件』がきっかけになります。

カネミ油症事件:食用の米ぬか油にPCBが混入し、これを摂取した14000人以上に皮膚疾患、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振などの健康被害が及び現在でも症状が続いている方々がいる。
PCBは毒性が強いだけでなく体内に蓄積されやすいのが特徴で、なかなか体外に排出されないために長期間にわたり症状が続きます。また、母乳や胎内に移行するため、直接摂取していない2世にまで影響が及んでいることが確認されています。

74年以降、PCBの使用は禁止されていますが、それ以前に使用されていたものは、そのままなので環境の中にはとても多く存在しているはずです。

そして、海洋環境で問題となっているマイクロプラスチックとも関連しています。

5mm以下のプラスチックをマイクロプラスチックと呼び、これを小魚が食べてしまいます。東京湾のカタクチイワシを調査したところ約8割のイワシの消化管にプラスチックが発見されたという報告もあります。

マイクロプラスチックには環境ホルモンやPCBなどの有害物質を吸着する性質があります。

怖いのは、有害物質を吸着したマイクロプラスチックを食べた小魚、その小魚を食べる大型魚に有害物質が蓄積している可能性があるということです。それを人間が食べている・・

ちょっとショッキングですね!
でも、実際に今起きていることなのです。マイクロプラスチックはここ数年の話題で、解決策もまだないですし、PCBの処理もまだまだこれからです。

 

では、個人的にはどう対策していけばよいでしょうか?

油症の治療には、摂取したダイオキシンを体外に完全に排出するか、または無害な代謝物に変換することが必要であると言われています。しかし、根本的な治療法はいまだに確立されていません。対症療法がメインになっています。

50年以上経過した今でも油症で苦しまれている患者がいるように、PCBを含むダイオキシン類を完全に体外に排出するのは難しいことのようです。

ダイオキシンは体内で活性酸素を産生させることは分かっています。大量の活性酸素は細胞を傷つけガン、動脈硬化、その他の多くの疾病にも関与しています。

この活性酸素は抗酸化物質を摂取することで抑制できるため、食事では野菜、果物などを積極的に摂取するのがよいとされています。(厚生労働省は健康維持に野菜摂取量1日350g以上を推奨しています)

また、心身の疲労をためない、十分な睡眠などの健康管理も大切になります。

 

そして、もっとも注目したいのは、

2013年に『クロレラ』を使用した研究内容が発表されたことです。

当時は新聞各社やNHKでも報道されました。

新聞抜粋:微細な藻類の一種で健康食品として知られるクロレラの市販粒剤を摂取すると、カネミ油症患者は体内にとどまる猛毒の原因物質、ダイオキシン類を8カ月間で最大20%排泄し、咳などの症状軽減につながることを、福岡工業大学環境科学研究所の長山淳哉客員研究員(環境分子疫学)らのグループが突き止めた。大量のダイオキシン類の排泄効果がある食品が確認されたのは初めて。治療法が未確立の油症患者に朗報となりそうだ。厚生労働省の全国油症治療研究の一環。これまで、玄米発酵食品や青汁、漢方薬品なども検討されてきたが、大きな成果は得られていなかった。今回の研究には福岡、長崎両県で、体内のダイオキシン類(主にポリ塩化ジベンゾフラン=PCDF)濃度が高い油症患者37人が協力。200ミリグラムの粒剤10粒を毎食後、8カ月間飲み続けてもらった。その結果、採血検査でダイオキシン類の濃度が目立って低下したことが判明。体内の蓄積量の7~20%を排泄していた。全身の倦怠感、咳、便秘も改善したという。ダイオキシン類は体内で蓄積され、血液などを通じて循環する。それが油症患者の多様な症状、体調悪化につながってきたとされる。長山氏は、患者が葉緑素を多く含むクロレラの粒剤を飲んだところ、ダイオキシン類が胃の先の十二指腸などに移動してきた際、葉緑素が包み込み、体内から排泄されたとみている。葉緑素には特定の物質の排泄機能があり、腸に再吸収されるのを防いだようだ。クロレラはビタミンEなども含み、それらも症状改善に役だった可能性もあるという。クロレラの粒剤メーカーによると、1カ月間飲み続けた場合の費用は約8千円。長山氏は「3、4年、摂取を続ければ健康な人と同じくらいまでダイオキシン濃度が下がるのではないか」と期待している。3月2日にある同大環境科学研究所の研究報告会で発表する。

 

数十年間も体内に蓄積されたダイオキシン類を最大20%排出させるなんて、やっぱりクロレラは凄いですね!

クロレラには『吸収抑制』『排泄促進』『毒性軽減』『栄養学的解毒』の解毒作用があります。

有害物質は、ダイオキシン類だけでなくメチル水銀などの有害ミネラルや農薬などさまざまありますが、クロレラはいずれの有害物質にも解毒効果があると言われています。

なんとなく原因不明の不調が続いている場合、もしかすると有害物質が関係しているなんてこともあるかもしれません。

そんな原因不明の不調には、クロレラを摂って体に蓄積した有害物質を解毒してみるのもよいかもしれませんね。