春の養生はのびのび過ごす

2021.2.24

立春の2月はまだ気温も低く寒い日も多いですが、段々と陽は長くなり草木は春の訪れを感じて蕾は膨らみ芽吹き始めます。

中医学では、春は全ての成長の始まり。立春~立夏までの三か月は万物が新しく発生する『発陳』の季節です。天地に生気があふれ万物はスクスクと栄えます。

 

春は五臓の『肝』と関連しています

中医学の五行説では季節(五季)に関連した内臓(五臓)があり、春は五臓の『肝』と関連があります。

中医学の『肝』は西洋医学の『肝臓』と一緒ではありません。

肝の主な機能は、気の流れをコントロールする、精神や情緒を安定させる、血を貯蔵する、自律神経系や新陳代謝の機能を担う、内臓の働きをスムーズに保つ、筋や目の生理機能の維持があります。

春に草木がのびのびと成長していくように、肝ものびのびとした環境でよく働いてくれます。逆にストレス過多で窮屈な環境だと肝は弱くなり、うまく機能できなくなります。

春は新学期、就職、人事の異動、引っ越しなどの環境変化や期待と不安で精神的にも不安定になり、心身へのストレスが多くかかる季節でもあります。そのため春になると『肝』に関連した体の不調が出やすくなります。

 

春の過ごし方

季節の養生法は2000年以上前から伝わる先人の知恵です。季節の養生とは次の季節に体調を崩さないためのもの。春の養生を怠ると夏に冷えるなどの不調がでてきてしまいます。

・朝は早起きして時間に余裕をもって行動しましょう。

・髪は結わえずほぐして、ゆったりした服装を着るなど、体を締めつけないようにします。

・散歩でもしながら体をのびのびと動かしましょう。

・気持ちは活き活きとして、怒ったりせず、嫌なことがあってもサラリと流しましょう。

 

春の食養生

香味野菜(セロリ、パセリ、セリ、パクチー、三つ葉、春菊、大葉など)、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、みかん、金柑、レモンなど)などの香りのよい食材は、気の巡りをよくするので積極的に摂りましょう。香りのよいハーブティーもおすすめです。

春の陽気は上へと昇りやすいため、体の陽気も上に昇りすくなって、怒りっぽくなったり、イライラ、めまい、頭痛などの症状が出やすくなります。このような時は辛いものはなるべく控えて、旬の山菜など苦みのある食材を摂りましょう。

春は新陳代謝が活発になり吹き出物や肌荒れもしやすくなります。葉もの野菜を多めに摂ったり、老廃物を排出しやすくする新芽(たけのこ、タラの芽、ふきのとう)を摂るとよいでしょう。

胃腸が弱っていれば酸味を少しにして、さつまいもや米などの自然の甘味を少し多めに摂るようにすると胃腸の調子がよくなってきます。

 

一年の始まりである春はストレスを溜め込まずに上手に発散させることがポイントになります。ストレスは万病の元!自分なりのストレス対策をいくつか用意しておき活用しましょう。