更年期を穏やかに過ごすために

2018.10.6

『更年期』

このワードにちょっと敏感に反応してしまう人もいるのではないでしょうか。更年期は誰にでもいつかは訪れるもので逃れる術は残念ながらありません。

こればっかりはしょうがないと潔く諦めることもよいですが、できることなら穏やかに和やかに過ごしていきたいものですね。

女性の体は7年毎に変化していくなんて話を聞いた事があるでしょうか。テレビのCMでも流れていましたよね。(男性は8の倍数で体の変化を迎えます)

これは2000年以上前の中国の古典『黄帝内経』(こうていだいけい)に書かれていることです。

女性は7歳で歯が生え替わり、14歳で初潮を迎えて、21歳で心身ともに整い妊娠しやすくなり、28歳で体や生殖機能のピークとなり、35歳で徐々に体が衰えはじめ、42歳で顕著に衰え女性ホルモンの分泌が減少し、49歳で閉経し更年期を迎えます。

この体の変化は『腎の充実度』によるものです。腎の充実度は誕生後よりどんどん上昇していき28歳をピークに以降は下降していきます。

中医学でいう『腎』はいわゆる腎臓とは異なり生殖、成長、発育、ホルモン分泌、免疫系、泌尿器系などの働きを含んでおります。また、生命エネルギーの源である『精』を貯蔵する臓器と考えられています。

 

更年期障害

女性は42歳頃になるとプレ更年期に入り、人によっては更年期障害による症状が出始めたりもします。

なぜ更年期に症状が出るかというと女性ホルモンのエストロゲンの分泌量に関係してきます。

毎月の排卵により卵子が大きくなってくると顆粒膜細胞からエストロゲンが分泌されます。しかし、加齢により排卵が減ってくるとホルモンの分泌が減ってしまい、ホルモンバランスが崩れることで自律神経などが乱れることにより症状が現れます。出てくる症状は体質による個人差や日によっても異なりじつに様々です。

 

主な症状

精神神経系

頭痛、めまい、憂うつ、集中力低下、不安、不眠など

血管運動神経系

のぼせ、ほてり、発汗、冷え、動悸、息切れ

皮膚系

皮膚・目・口などの乾燥、湿疹

消化器系

食欲不振、便秘、下痢、腹部膨満感

運動器官系

肩こり、腰痛、関節痛

泌尿器系、生殖器系

月経異常、頻尿、残尿感、尿失禁

 

『未病先防』が大事

更年期を穏やかに過ごして行くには未病先防していくことが大事になります。

未病とは病気ではないけれど何かしらの不調があること。この段階から治療をすることで病気になるのを防ぎます。

更年期の予防には『血』と『腎』のケアすることがポイントになります。

『血』のケア

女性は月経、妊娠、出産、授乳、更年期と常に『血』を消耗しやすい状態にあります。しっかりと血を補うことはとても大切です。血を十分にあること、スムーズに流れていること、生理周期が保たれていることです。すでに生理痛や生理不順があるなら漢方薬などで改善していきましょう。

血を補う食材

黒米、黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、黒砂糖、トマト、クコの実、海藻
鳥肉、羊肉、牛肉の赤身、マグロ、カツオ、レバー、牡蠣、ほうれん草、小松菜

『腎』のケア

妊娠や出産、年齢を重ねる毎に腎の働きは弱くなり、腎の充実度は低下していきます。

腎の働きを少しでも長持ちさせるためには、常に補っていく必要があります。同じ年齢でも、より若く見える人がいる一方、そうでなかったりする人がいるのは、腎の充実度の差によるともいえます。

また腎と同様に『肝』も大切な臓器です。肝は血を貯蔵する場所であり、肝と腎はお互いに協力し合う関係にあります。肝が弱れば腎も影響を受けるようになるため肝も腎も一緒に補いましょう。肝や腎を補う漢方薬を使うとよいです。

腎を補う食材

黒豆、大豆、黒ごま、くるみ、山芋、海老、あさり、ひじきなど

肝を補う食材

柑橘類、レバー、牡蠣、しじみ、クコの実、菊花、また血を補う食材もよいのです。

 

普段からの養生と漢方薬を合わせて、穏やかな楽しみに溢れた更年期を迎えてみませんか。

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