体の冷却水不足!陰虚(いんきょ)について

2018.8.18

気(き)、血(けつ)、津液(しんえき)を陰陽に分類すると気は「陽」、血と津液は「陰」になります。
陰虚とは主に津液の不足をいいます。(血の不足は血虚といいます)
津液とは血液を除いた体に必要な体液のことです。全身の組織を潤したり、関節や筋肉の動きをスムーズにしたり、体の熱を下げる冷却水の役割があります。陰虚とはこの津液が不足している状態をいいます。

【陰虚になる原因】

加齢、生活習慣の乱れ、不眠、慢性疲労、長期間の発汗、辛いもの・刺激物のあるもの・塩辛いものの摂りすぎ、暑い場所に住んでいるなど

【体に現れる不調】

のぼせ、ほてり、微熱、かゆみ、寝汗、めまい、空咳、便秘、肌乾燥、痩せていく、口が渇く、イライラ、不眠など

【舌の状態】

舌は赤っぽい色(真っ赤ではない)。乾燥していて、ヒビが入っている。舌苔は潤いがなく少ない。

【対策】

〇生活習慣

・1日の中で日中は「陽」で夜は「陰」にあたります。陰の時間にしっかり体を休めましょう。特に睡眠はとても大事です。遅くても23時には寝るようにしましょう。
・激しい運動、サウナなど汗の出し過ぎは避け、こまめに水分補給しましょう。

〇食養生

・「甘酸化陰」といって「甘いもの」と「酸っぱいもの」との組み合わせは「潤い」を作ります。
・陰の食材は平性、涼性、寒性が基本となります。体が冷える場合は食材をそのままではなく鍋や汁物など体を温めるように工夫しましょう。
・陰を補う食材は秋や冬の食材が多いものです。乾燥しやすい時期には旬の食材を摂るように心がけましょう。夏野菜は熱を冷まして体を潤す作用がありますが、利尿作用があるものも多いので摂りすぎには注意しましょう。

オススメ食材

豆乳、豆腐、梨、レモン、トマト、スイカ、メロン、蓮根、百合根、きゅうり、白菜、ごま、白きくらげ、なまこ、あさり、牡蠣、あわび、豆類、黒酢など

〇代表的な漢方薬

亀鹿仙、瓊玉膏、麦味参顆粒、杞菊地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸など