『肩こり』にもタイプがあります

2018.8.18

肩こりって誰もが経験したことがあるのではないでしょうか?
肩こりは大衆病ともいわれていますが、あまり生死に関わる症状ではないため病院に行くまでもなく、または病院に行ったとしても鎮痛薬や湿布薬で対応するしか方法がありません・・
でも当人からすれば長期化した肩こりはホントにつらいものですよね。

中医学では肩こりの原因を根本から治療していくため、肩こりの発生頻度が低減していきます

肩こりも中医学で診るとそれぞれのタイプに分けることができます

 

1.風寒の邪気が侵入して起こる急性の肩こり

2.湿気が多いと悪化しやすい、痰湿が滞って起こる慢性の肩こり

3.ストレスや目の酷使などで肝鬱気滞血オになり起こる慢性の肩こり

では一つずつその特徴を見ていきましょう

 

1.風寒の邪気が侵入して起こる急性の肩こり

風寒の邪気が肩に侵入して起こる肩こり・肩痛は急性期のことが多く、多くは冷えが原因で起こります。
まだ体表に邪気が侵入して間もないため、体表の邪気を漢方薬などで発散させて体の内側に入らないようにします。
この場合の肩こり・肩痛は突然に起こり初期症状は重くなりますが、邪気が深く入っていないため回復も早いのが特徴です。
→漢方:葛根湯(根本治療するものではないため長期使用しない)など

2.湿気が多いと悪化しやすい、痰湿が滞って起こる慢性の肩こり

痰湿(体に害をなす余剰な水分)が経絡の流れを塞いでしまうことが原因で起こる肩こりです。
風寒湿の邪気が侵入して慢性化した場合や肥満体質や高脂血症の人は体内に痰湿が存在しているため肩こりが起こりやすくなります。
肩が痛むよりも肩が凝る傾向にあり、曇りや雨の日の湿気が多い時に症状が悪化しやすいのが特徴です。
→漢方:二朮湯、麻杏薏甘湯、防已黄耆湯など

3.ストレスや目の酷使などで肝鬱気滞血オになり起こる慢性の肩こり

肩こり・肩痛が長期化している場合は肝鬱気滞血瘀(かんうつきたいけつお)が原因とみて治療することがとても多いです。
肝はストレスと関連がとても深い臓器ですが、ストレスなどの精神的疲労により肝の働きが弱くなると『気』の巡りが悪くなり滞ってしまいます。これを肝鬱気滞といいます。気が滞ると血の流れも悪くなります(血瘀)。
気血が滞ったことで起こる肩の症状は凝りよりも痛みのほうが強くなるのが特徴です。
またパソコン、スマホ、加齢による老眼などで目を酷使すると目に関連する肝血が消耗するため、肩こりが発生します。
さらにこのタイプの女性は生理前に肩こりが強くなりやすいです。生理がくると塞がっていた気血が一時的に流れるため生理後は症状が軽減します。
→漢方:逍遙散、疎経活血湯、冠元顆粒、イーパオなど