「ゆっくりよく噛んで食べなさい」
なんて言われたことはないでしょうか?
ゆっくりよく噛んで食べることは健康によいと昔から言われてはいますが、早食いをすると肥満になりやすいことは、疫学調査でも認められています。
下の左のグラフは食べるスピードが速い人ほどBMI値が高くなることを表わしています。
右のグラフは20歳の頃から現在までにどれ位BMIが増加したかを表わしています。
(グラフは厚生労働省HPより)
これにより、早食いしている人ほど肥満になりやすく、20歳の頃の自分よりも現在の方が太っている傾向にあることがわかります。
こちらの図は「早食い」「お腹いっぱい食べる」人とBMIの関係のグラフになります。
やはりこのグラフを見ても早食いは太りやすいと言えます。
(グラフは厚生労働省HPより)
これらのグラフは他の要因(摂取エネルギー量・年齢・喫煙・身体活動・飲酒習慣)を調整しても統計的に意味のある差であることが認められています。
早食いは肥満になりやすく、肥満になると高血圧・糖尿病・脂質異常症などを引き起こしやすくなります。
これらの疾患が組み合わさると動脈硬化はさらに進行してしまい、心疾患や脳卒中などになる危険がいっそう高まります。
ちなみに日本人の死因の第2位は心疾患で第4位は脳卒中です。(第1位がん、第3位老衰)
どうしたら早食いを止められる?
早食いとは、よく噛まないで早く食べることなので
よく噛んでゆっくり食べることを意識すること
これが当たり前ですがとても大切になります。
早食いの人は食事の時に早食いしていることをあまり意識しないで食べています。
はじめから意識しないで、よく噛んで食べることはできませんので、まずは意識しながら食事することです。
「いただきます」と言うところを「よく噛んでゆっくりいただきます」と言いかえて意識づけしてみるのもいいですね。
一口で30回噛むとよいと言われていますが、慣れないとなかなか大変かもしれません。
最初の一口だけでもよ~く噛んでいると、段々とよく噛めるようになってきます。
また、早食いの人は一口の量が多い傾向にありますので、一度に口に入れる量を少なくしてみましょう。
早食いする理由の一つに「お腹を早く満たしたい」というのがあります。
これを解決するには味噌汁やスープなどの液体を先に飲むとよいでしょう。お腹が早く膨らみ空腹を和らげることができます。なるべく温かいものがよいですね。
中国には「ご飯を食べるときに、まずスープを飲む。これは神様の処方より勝る」という諺もあるほどです。
食養生の基本ですので実践してみましょう。
早食いをしている人の健康への近道は、まず早食いを止めること。
自分の意識しだいですぐにでも始められますのでぜひやってみてはいかがでしょうか?